地球規模の影響
ペルシャ湾は世界でも最大級の閉鎖性水域であり、平均水深も30から50メートルと浅いです。
このことから、沿岸域の陸海生態系への影響は著しいものとなりました。
その結果、プランクトンなどの微生物・魚貝類、エビなどの海洋生物、海産物、海鳥などの鳥類に大きな打撃を与えることになりました。
たとえば鳥類は水面と間違え飛来し、重油の粘性で飛び立てなくなります。
さらに揮発性物質の毒性によって中毒するなどの被害を受けました。
実際、世界野生生物基金(WWF)、日本の山科鳥類研究所などが戦後に実施した現地調査からも、膨大な数の鳥類が死んだり傷ついたことが報告されています。
とくに原油にまみれた海鳥の姿が、英国ITNテレビ局から衛生を通じて世界中に送られ、ひとびとに大きな衝撃を与えたことは生々しいものです。
他方、2月24日の地上戦突入前後からはじまったクウェート領内の油井炎上は、3月上旬で600ケ所を超えました。
最終的な炎上規模はクウェート国営石油公社が鎮火時点で発表した数字、すなわち全部で735ヶ所のうち約650が炎上した、という数が最も信頼できます。
それらの炎上油井から排出される汚染の量を日本全体の排出量と比較すると、1日単位で硫黄酸化物(SO2)は約29倍、窒素酸化物(NOx)は約1.5倍となります。
また、温室効果物質である二酸化炭素(CO2)は、炭素換算で1日約3万トン排出されました。
これは日本全体の1日排出量に匹敵します。
なかでも、SO2の排出量は膨大であり、ジェット気流に乗ったちりは、西アジア、インド、東南アジアさらにハワイ上空まで達しました。